名機にロックオン


XEVIOUS
(ゼビウス)
(1983 ナムコ)




★ 縦スクロールシューティングの金字塔

もはやこのゲームについての説明は何もいらないくらいでしょう。とても20年以上も前のゲームとは思えない完成度、すばらしいグラフィック(メタリックな中間色が実に美しい)、ビデオゲームミュージックを音楽の1ジャンルとして確立(なんとオリコン初登場で19位だったそうだ)した功績----どれをとっても「スゲエッ!!」というしかないでしょう。

その存在は後世のゲームにも多大な影響を与えています。上空から見下ろした視点で、地上の敵と空中の敵を2種類の攻撃方法で倒すシステム(それ自体は「ス クランブル」でもあったけれど、スクランブルは横スクロール)や、隠れキャラ「ソル」の存在----。現在のゲームをふりかえってみると、どこか必ず共通 点がみえてくるはずです。

★ 小説「ファードラウト」に広がるゼビウスの世界----

ゲームに前提となるストーリーがあるのは今となってはあたりまえ。(もっとも最近の単なるリアル格闘ゲーム等にはそれすらないのだけれど----まぁあれ はゲームというよりはシミュレーターだと思ってますんで----)←こんなこと言ってると苦情メールがくる ぞ----

しかし、このゼビウスはゲームの制作と同時に、作者の遠藤氏の手によって一編の小説が書き上げられていたのです。ゼビウスの世界を網羅したその小説 「ファードラウト」----私は読んだことがないのですが、かなりの大作でなかなか読み応えがあったようです。

★ 栄光の1000万点への道

ゼビウスがプレイヤーに長く支持された理由の一つとして「カウンターストップ(ギブアップというとちょいと意味が違うかな?)」があげられるでしょう。 1000万点(正確には9,999,990点)を達成すると、スコアのカウンタがストップし、「敵を1機破 壊するごとにソルバルウが1機増える」という現象(これを無限増えといいます)が 起こるのでした。カウンターストップはハイスコアラーの勲章であり、当時ビデオゲームのハイスコアを集計していた「マイコンベーシックマガジン」にスコア ネームを掲載するべく、精進するプレイヤーが続出でした。1000万点達成者を「1000万点プレイヤー」と呼ぶようになったのもこのころからでした。

★ 1000万点プレイヤーはさらに究極を目指す----

さて、1000万点を達成してもプレイヤーの探求心は満たされませんでした。次にターゲットになったのは「1000 万点達成までの時間」----なんと1000万点の達成を最低限の必要条件とした、ハイレベルなスコア(タイム)アタックが繰り広げられた のです。普通にプレイしていくと1000万点まで6時間ぐらい。そんな中で4時間ちょいで 1000万点を達成してしまうのですから、これはもうすごい!の一言。

タイムアタックの際には、つまらないところでミスをせず、ソルを確実に破壊し、なおかつ空中敵を調整してパターンにはめていくテクニックに加えて、点効率 のよい稼ぎをマスターしなければいけませんでした。具体的には9エリアのスタート直後ソルが4本出るところからアンドアジェネシスに至るまで----この エリアで稼いでは死に稼いでは死に----を繰り返すのです。一見単なる作業のようにしか見えないのですが、実際やってみると、効率よくするのは結構難し いのでした。

★ 思い出に残るプレイヤー

ゼビウスのプレイヤーにも「ぴしっとパターンにはまったように美しくクリアしていくタイプ」と、「点効率を気にしてリスキーなプレイをするため、一見め ちゃくちゃなんだけど、超人的な弾除けでなぜか死なないタイプ」の2通りがありました。都内で有名だった(というか個人的な感情も若干入る)のは、前者の 代表としてSHYPER金子氏、後者の代表としてVERTEX−FANCY−ALIこと山河悠理氏の2名でした。(もちろん創世期の1000万点プレイ ヤーとしてあんず氏等もあげれますが、面識がなかったもので----)

冷静沈着なプレイのSHYPER金子氏は実に1000万点を100回も達成したという強者!!よほどゼビウスを愛していないとできません。一方のALI ちゃんのほうは抜群の動体視力と反射神経でせめてせめてせめまくるタイプでした。このあたりが一部では「さ すが魔王!」といわれていた所以だったりします。いずれにせよ2人とも後々出現したシューティングゲームもかなりの腕前ではありました-- --

まったくの余談ですが、金子氏は連射がものすごく速く、なんと秒間23発を記 録しています(^^;;;;)


メディアミックスの先駆けゼビウスに敬意を表してこの項を終わりにしま しょ。



mail


back home mail