このコーナーでは80年代の名ゲーム機にスポットをあて、四方山話をまじえながら紹介していきます。
<第一回>はこの機種!!!!
DARIUS
BY TAITO (1987)
● 大迫力の横3画面シューティングゲーム
86年秋のAMショーのタイトーブースには、なにやら見慣れない大型筐体があり、まわりをゲームマニア達が囲んでいた。人影からそっとのぞいてみると、そ
こには横3画面にわたるつなぎめのない美しいモニターの中で、高速の弾をはく巨大なシーラカンスの姿があった--------
このページにアクセスしていただけるような方には、いまさらゲーム内容の説明なんて必要ないと思いますが、とにかく初めてみたときはその迫力に絶句してし
まいました。時代はまさに大型筐体全盛期でしたが、「順番待ちで並んでもやってみたい」と当日思ったのはこのゲームだけでした。
● ダライアスは何種類存在したのか?
商品化されたダライアスにはいわゆる旧パージョンと新バージョン、そしてEXTRAバージョンの3とおりがあったのはみなさんご存知のとおり。しかし、こ
のほかにも「AMショーのバージョン」と正式発売前に一部の店に導入された、もう1つの「発売直前バージョン(?)」があったのです。(正式発売後もかな
り長期間設置してあったので、いわゆるロケテストではなかった) 以下各バージョンについて紹介したいと思います。
☆ AMショーバージョン
筐体の形も発売されたものとは異なっていました。イスは1人がけのものが2脚ならんでいて、肩寄せ合って仲良くプレイ----というわけにはいかなかった
ようです。もっとも、ダライアスの筐体はイスの部分はもともと取り外し可能であったため、便宜上外していただけなのかもしれませんが。
各ゾーンの構成も発売バージョンとは大きく異なっており、ボスも全く違うものでした。エイをモデルにしたビッグラジャーンヌ等が印象的でした。また、音楽
はすべて(全ゾーン)宇宙洞窟のテーマ(アイザックのテーマといって話が通じる人はかなりの通)でしたし、ボスのテーマはすべてキングフォッシルのテーマ
でした。このバージョンのカタログは(なんとカタログも各バージョン異なっていた)ボツキャラのオンパレードとなっており、なかなか笑えます。
☆ 発売直前バージョン
外観はほぼ発売バージョンと同一でしたが、内容はAMショーバージョンとほぼ同一という中間的存在でした。画面のスクロールスピードが発売バージョンより
20%ほど速く、耐久力のある敵はほとんど出現してきませんでした。感覚的には発売バージョンのSゾーンが連続するようなゲーム構成でした。各面のボスは
あっという間に画面の左側に接近してくるので、自機を画面左右に切り替えしながら倒さなければいけませんでした。(3画面フルに使ってもらおうというタイ
トーさんの戦略?)
☆ 発売バージョン(旧バージョン)
発売バージョンのなかでも初期のもの(旧バージョン)は、レーザーやウエーブに対する敵の耐久力が異常に強く、当初マニアの間でも「レーザーになったらお
しまい」と言われていました。(最終的には全ゾーンウエーブでクリアされてたりしますが。)クジラのかせぎがアツイ!!!!(このへんの話は次回に)
☆ 発売バージョン(ニューバージョン)
レーザーやウエーブに対するボスの耐久力を落としたバージョンです。ウエーブで進みやすくなったため、ハイスコアねらいに拍車がかかっていきました。W
ゾーンのかせぎ(オトシゴでかせぐのではない)はまさにゲーマーのハイスコア追求精神が生み出したパターンでした。(このへんの話も次回)
☆ EXTRAバージョン
残機をつぶして点数稼ぎをするゲーマー対策のためなのでしょうか、残機1機につき百万点のボーナスというバージョンをタイトーさんは考えました。そこで、
試作バージョンをゲーメ●ト編集部の石井ぜんじ氏がプレイすることになったのです。プレイの結果、氏の意見が一部取り上げられることになりました。(結
果、マニアうけしかしなかった、という説も----)ちなみにこのことは以降ずっと内密に進められていたようです。
「都内の某店にダライアスのニューバージョンが入荷した」と聞き、私は当の本人と一緒に見に行ったのです。もちろんその時点で氏が関係者であるとは知りま
せんでした。氏は人のプレイを妙にうれしそうに見ていました。(プレイするみんながウエーブの強さに驚いていたようです)やがてエンディングになると、
「じつはここに謎がかくされているんですよ」と一言。スタッフロールをじっと見ていると、最後に
の文字が----。敵を欺くにはまず味方からとはよくいったものですね。
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