「らしく」いきましょ
 ここはセイルーンの城下町。見知った人がいたので、つい声をかけた。
「リナさん、どうかしたんですか? 1人でこんなところに飲みに来てるなんて」
「………ああ、ゼロスじゃない。あんたどこにでも現れるわね」
 はぁ。
 そう言って大きなため息をつく。
 リナさんらしくない。
「いえ、今回ばかりは偶然ですけど。それよりどうかしたんですか? 今はセイルーンの第一王位継承者の護衛をしてるんじゃなかったんですか?」
「よく知ってるわね。んー、確かにそうなんだけど…
 …実はマゼンダって魔族に術、封じられちゃって… 役立たずになっちゃって落ち込んでるの」
「ええっっ!!」
 リナさんでも落ち込むことがあるのですか。 初耳ですね。
「なによ、その驚きようは?! それに…それだけの理由でもないし」
「他の理由が…?」
「ゼルもアメリアもガウリイも、魔法が使えなきゃあたしはただのワガママ娘だ、みたいなこといろいろ言うんだもの。落ち込みもするわよ」
 リナさんだったら人に何を言われても、気にしない人だと思っていました。
 まぁ、でも 普段は悪口言われたら呪文でぶっ飛ばしてましたし。ストレスが発散できないせいかも…

「それでも。呪文がつかえなくなってもリナさんはリナさんですよ。
 そんな後ろ向きの考え方はリナさんらしくないですよ。いつものリナさんは前だけを見て進んでるでしょう?
 いつものリナさんなら今頃は魔力を取り戻す方法を考えているんじゃあないですか?
 努力もしないうちからあきらめるんですか?」
「………ゼロス……」
「もちろんどんな辛いことがあっても我慢しろとは言ってはいませんよ。泣いたからといって弱くなったわけでもないですし。
 僕の胸でよかったらいつでもお貸しします」

 しばらくの沈黙――

「ありがとゼロス。確かに『らしく』なかったわ。
 なんか元気でた。
 あたし戻るね。ホントにありがと」
「いえいえ、思ったことを言っただけですから。
 やっぱりリナさんはそうでないと」

 そう、それが僕の好きになったリナさんだから。



                     (「らしく」いきましょ:完)

 ってわけで、ホントに調子にのってます…
 なんか、性格違うかも…… ゼロス魔族じゃないし…っていうか、いい人やってる……
 ちなみに、この作品、最後の1文がまず出てきて、それを書きたいが為に作った作品だったりします(← そう、それが僕の好きになったリナさんだから  のことです)
 けっこうそういうのってあるから… そのかわり、文章がめちゃくちゃになる
 …まあ、もとからめちゃくちゃだという説もあるけど……
 って、自ら墓穴掘る…… …逃げよう…
 ではではっ  今回はこれでっ