BLUE DAY?
 『楽園』と呼ばれる敷地内にある塔のとある部屋に、4人の人間が集まっている。
 1人は無表情な少女。1人はお子さまに見える少女。1人はゴージャスな少女。そしてもう1人は美少年に見えるが、やはり少女。4人の少女だ。
 そう、サラ、マリア、ダナティア、ファリスである。
「お師匠様、遅いねぇ?」
 のんきに言っているのはもちろんマリア。
「全く、あのバカエイザード。私達の師匠である限り修行させることは義務なのよ。あのバカは義務を放り出すおつもり?!」
 怒っているのはダナティアである。
「お…落ち着こうよ…殿下。きっとなにかわけがあって…」
 それをなだめるのはファリスである。
「…理由…それは、寝坊とか怠惰とかいうものだろうか…」
 ぼそりと呟くサラ。
「そうね! そうに決まっているわ! 他の理由なんてありえないわよ! そんなものは理由としては認められないわ!」
 さらに怒り続けるダナティア。
「それが理由として使われるならばそれは理由になる。そうは思わないか? 殿下」
 わけのわからないへりくつをこねるサラ。(俺にはサラのような高度な理屈は思いつかーんっ!)
「お? どうしたんだ、お嬢さん方」
 そこに通りかかる筋肉マッチョのお兄さん。大剣をたずさえている。ナハトールである。
 まさかこれが料理番だとは普通の人は夢にも思うまい。
「どうもことも、あのバカ師匠、私達が修行を待っているというのに来ないんですわ!」
「だからきっと理由が…」
「どうせ寝坊や怠惰でしょう? そんなのは理由とは言わなくってよ!」
 ここまでは、いつもと変わらない『楽園』の風景だったのだが……
「ん? もうそんな時期なのか…
 今日は修行は無理だな。自由にしてな。
 あ、サラちゃん、実験は遠慮としいてくれ。爆音はちっとばかりよくない」
 思いっきり意味深なことを言うナハトール。
「ええ〜? お師匠様、どぉしたのぉ〜?」
 ………マリアは間延びした声しか出せないのだろうか……(俺の書くマリアはそうかもしれん…(爆))
「しょうがないさ。今日はグィエンのじいさんの命日だからな。
 1日ぐらい食わなくたって平気みたいだし、いつもほっといてるんだよ」
 どう考えても思いっきりまともな理由である。
「ふむ…思ったよりまともな理由だったな。
 ……………………わかった。そういうことなら仕方ないだろう。実験はやておこう」
 ……沈黙がこあいよ…サラ…(^_^;)
「…そ、そう…それなら許してあげてもよくってよ!
 1人で好きなことをしていることにするわ」
 あくまで非を認めようとしないダナティア。
「じゃ…じゃあ、私は1人で剣の練習でもしてるから…」
 居心地の悪そうなファリス。
「…お師匠様、一日も食事抜くなんてかわいそぉ〜……」
 食べ物が真っ先に思い浮かぶマリア。
 結局、全員解散し、思い思いのことをしていた。

 さて、そのエイザードはというと……
 自室で、思いっきりダークな雰囲気を背負い、ベッドに腰掛けて、ごくちゃん(毛玉(笑))を抱きしめて、ぼーっとしている。
 ごくちゃんも、そんなエイザードがわかっているのか、おとなしくエイザードの胸に抱かれたまんまである。
 まるで、闇の深淵を覗いているような空虚(うつろ)な目。
 心身喪失状態。そう言ってもいいだろう。

 しばらく後、
「……………ごくちゃん…………」
と呼ぶ。その声さえも空虚(うつろ)に染まっていて……
(…エイザード…)
 心配げな、エイザードの心のみに響く声。
 そう、毛玉ごくちゃんが消え、かわりに立っている人間バージョンごくちゃん。(笑)
 そして今度は逆にエイザードが抱きしめられる。
(…私はいつもこうしてあげることはできないかもしれない…
 けれど、私はあなたのことをわかっていて、側にいてあげることができます。だから……落ち込まないで、エイザード…)
 そして、やっと、エイザードの目にわずかに光が灯る。
「…ごくちゃん…」
 さっきの空虚(うつろ)な呟きとは違い、呼ぶことを意識した、声。
「…ごくちゃんは、ずっと側に…いるんですよね…」
 そう言ってしがみつく。
(ええ、もちろん。私はずっとあなたのそばに…)
「…ずっと…私の側に…いて下さいね…私の一番近くに…」
 そして、くちづける。深く、深く。
 それがどういう意味か理解し、ごくちゃんもそれに応える。
(心配しないで。私はずっといます。
 ここに、あなたの側に…)
 さらに深くなったくちづけ。それを、いったん離す。
「…っ……はぁ…っ…」
 エイザードが詰めていた息を吐き出す。
 そんなエイザードをもう一度抱きしめ、そっと押し倒す。
 心を、沈ませないよう、少しでも浮上するように、優しく抱き続けた。

(落ち着きましたか? エイザード)
 静かに問いかけるごくちゃん。
「また、迷惑をかけてしまいましたね…すみません…
 わかってはいるんですけどね。落ち込んでもどうにもならないことぐらい…」
 自嘲気味な声。
 そう、落ち込んだところで何か変わるわけではない。その事実に打ちのめされるだけ。
 それを…何年も引きずって……
 ――おちいった、無限回廊――
(仕方ないですよ。あなたにとってあの人は、ある意味『絶対』でしたからね。
 それに…迷惑なんてとんでもありませんよ。
 自分から誘ってくれるあなた、とっても色っぽかったですし
 その一言で真っ赤になるエイザード。
 それでも、
「…ありがとう…」
と言い、そして、口を閉じる。
 ――そう、ずっと側にいてくれる相手がいれば、いつか悲しみからも乗り越えられるかもしれない。そう思いながら……――


 第2弾、終了〜〜
 前回と違い、今回は前半部分で、サラもマリアもダナティアもファリスも、そして、ナハトールも出てきました。
 しかし…性格壊れてますね…キャラのイメージ破壊って得意技かもしんない……(爆)
 でもさらに壊れてたのはエイザードとごくちゃんでしょう。どうやら第1弾書いた時に性格形成が出来てしまったらしい……(^_^;) それをひきずったわけですね。あ、第1弾、第2弾とは言ってますが、ストーリーは全然別です。続き物じゃあないのでご注意(笑)。でも、第3弾は第2弾の番外編です。そしてまたイメージを破壊していく…(爆)
 あ、第3弾といえば、第1弾といい、第2弾といい、肝心なセリフ、同じことしか言ってません。ちなみに第3弾もそうなってしまいそう……
 おまえら、「側にいる」ぐらいしか言えんのかぁ〜〜(悪いのは俺だってば…)
 そんなわけで、次回もそのセリフが山のように出てくるでしょう…(/_;)
 それでよければおつきあい下さいませ。
 ちなみに今回、ごくちゃんとエイザード、やばいシーン突っ走ろうとしてました。
 とりあえず今回は前回程度で抑えたわけですが…突っ走ろうとしてたのは、最終手段、無理矢理カーテンを引く(笑)でなんたか止めてやりましたが…書いてたの授業中だぞ、おい……(^_^;)
 …第3弾が不安… 今度のは突っ走られても止めるの難しいかもしれません。なんせ、テーマはごくちゃんとエイザードのそういう関係のなれそめ、ですから。(爆) だから今回の番外編なんです。内容的に似そうで……(/_;)
 ちなみに、今回のテーマはエイザードの誘い受け(核爆)でした。
 俺の書くエイザード、なんか、第1弾よりもかわいくなってるような気がする……
 ちなみに俺の書くごくちゃんはエイザードに口で勝てるようです……(^_^;)
 ……なんか…人間ごくちゃん、どこぞの謎の神官様が入ってるような気が……(^_^;)
 さて、と…ことでいいわけはおわったかな?
 それでは、最後になりましたが、イメージ破壊された方、そして何より樹川先生様、
 すみませんでしたぁっ!!!!!
 苦情、反論、いつでも承っております。メールでも伝言板でどうぞ。感想だとありがたいけど…無理でしょう(笑)
 ではぁ!(逃走)
  (裏)