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みんな幸せになりたい。 そう僕が書くと、 そうじゃない人もいるんだよって、 君が笑いながらささやく。 呆れるくらい澄み渡った笑顔は、 冬の晴れ間の木立のように、 しかも果てしなく深く、 北の果ての海淵のように、 寂しさとも寒さとも似てるけれど、 そういうものよりも青空をする。 君の瞳が見せた聡明な確信は、 悲壮な決意の土台の上に立っている 冷徹な柱と優しさの壁をした 壮麗な風の宮殿である。 僕にはまだ、届かない場所である。