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「The Moving Apple」


DANDADANDADADA
DANDADANDADAと
絡みつく

怒りなさい
若き心よ
叫びなさい
命震わせ

歌を浮かべてくれない心
噛み合いはしない世の中
優しさを弄んでいる関係

静かな微笑みを湛えるために
煮えたぎる愛が必要なのです

蠢き回る林檎たち
命を惑わす企みに
ひざまづかないで

体に刻まれた皺の数よりも
年老いるなんて嫌です
心に刻まれた傷の数よりも
項垂れるなんて嫌です

逆巻きたくないなんて
そんな無力な揺れる瞳が
あなたの幸せなのですか

DANDADANDADADA
DANDADANDADAと
締め上げる

毎日毎日毎日毎日
林檎を握り潰してる

無遠慮なヘッドライトが追いかけるのは
精神を病んでいるからだけど
突然ブレーキを踏んでやりたくなるのは
新鮮な魂の噴きこぼれだよね

本能を凌駕できるのは
ちっぽけな理性なんかじゃなくて
誰かを愛したいっていう心なんだ

愛したいっていう心は
愛そのものを越えてる

愛するために怒れないのか
涙を流して叫べないのか
いつからそんなに不純になった

怒るってことは
暴力じゃなく
愛してるってことなんだ

DANDADANDADADA
DANDADANDADAと
注ぎ込む

あの林檎を撃て
テルよりも愛を込めて
アダムとイヴを犯し
ニュートンを誑かした
蠢く真っ赤な林檎

迷わないで
愛はそこにあるのです
心は歌っているのです
林檎の甘いキスを
言い訳にしないで

人は愛を求め
死は逃げる人を追う
愛は暴走する死を
抱き寄せるだろうか
林檎の輪廻たち

DANDADANDADADA
DANDADANDADAと
甘く真っ赤な毒のキス

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