橋の高さを浮かぶ鳥の 美しき風の姿 しかしその翼の 羽の一枚一枚は 薄汚れて むしろだらしなく四方へ曲がって 風を散らしている 鳥の瞳は 悠然と虚空を見つめ しかしその足と腹は 川魚との格闘に疲れ 泥と水垢にまみれている あの鳥が 人間の情と排気ガスで色褪せてしまった この橋の高さを越えずに 音と時間をなくして漂っているのは 天然に生きる 身の程を知るからだろうか それともその薄汚れた あるがままの姿が 幸せの形であることを覚えているのか 子供達の笑顔のように ほんの一瞬 僕は鳥でありたいと思う