生活の（似非）豊かさ・便利さと引き替えに失ったもの（＝闇夜）

　今から約３０年ほど前のことです。その頃、わたしの部屋は東に面していました。

　下図をご覧ください。信じられないような話ですが、シリウスの影が本当に確認できたのです。
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　　　　　　　　　　　　　　　　　　<南>

　　　　　　　柿の木

<東>　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　（隣の部屋）

　秋の夜のこと。既に寝ていた私がふと目を窓（すりガラス）にやると、（ごく淡いのですが、はっきりと）何やら窓に影が映っているのです。『何だろう？』とよく見ていると、その影がゆらゆらゆれているようです。
　部屋の中は真っ暗ですから、内側にある物が原因となって影ができたのではありません。もちろん幽霊とかそういったものではないこともすぐに分かりました。
　何の影か？注意して見ると、どうも木の枝、葉が風に吹かれてゆれているようなのです。そういえば影の向こうに何やら光源らしき明かりが窓ガラス越しにぼんやり見えています。

　では、その光源は何だろう？．．．．まさか．．ひょっとして．．

　私は、急いで窓を開けてみました．．．．そう、その光源はシリウスだったのです。明るい金星が影をつくる、という話は聞いたことがありますが、まさかシリウスだったとは．．．！？

　シリウスが南東の空のそれほど高くない位置に輝いていました。もう一度、シリウスの位置を確かめると、窓を閉めて先ほどの薄明るい光源の位置と違わないことを確かめました。

　当時は、我が家でも（朝夕の）黄道光がはっきりと見えました。今でも６等星が見える環境下ではありますが、もっと夜空が暗かったわけです。これ以上空が明るくならなければいいな、と願っています。

物置	廊下
←　　　　　（私の部屋）すりガ　＊このあたりに寝ていたラス　　（部屋は真っ暗） ←		（隣の部屋）