平成9年度後期アルコール・セミナーたより(No.1) |
山の紅葉の便りがきこえたと思ったら、もう近くの街路樹の葉の色があせてきていますが、皆さんいかがお過ごしでしょうか。 さて、10月17日に平成9年度後期アルコール・セミナ−第1回が行われました。『アルコール依存とは』をテーマに富山市民病院吉本先生に講演をしていただきました。 ではその内容についてご案内します。
*精神安定剤として *睡眠薬として *鎮痛剤として *疲労回復薬として
入眠しやすくなり、深い睡眠が多くなり、あまり夢を見なくなる。 (飲酒量が多いとREM睡眠が抑制されるため) 2.アルコール連続飲酒の場合 少量のアルコール飲酒でも耐性が増え、急に中断すると1日〜数日の一過性の不眠が出現する。(離脱性不眠) ・程度は1日あたりの飲酒量に比例する。 ・毎日飲んでいても不眠が出現しやすい。 ・悪夢が起こりやすい。 3.アルコール依存症者の場合 ※多量の連続飲酒時に見られる睡眠障害 ・多量に飲酒している時期にも不眠が生じる。 ・深い睡眠ができず、途中で目覚めることが多い。 ※断酒直後の時期にみられる離脱症状と睡眠障害 *軽度の離脱症状がある時期の睡眠障害 途中で目覚めることが多く、浅い睡眠が多い。深い睡眠が少ない。 *振戦せん妄に伴う睡眠障害 眠れないことが多い。 ※断酒を続けているアルコール依存症者に見られる睡眠障害 ・断酒を数週間持続しても眠りが浅く、目覚めやすい。 ・大脳皮質の萎縮の程度と睡眠障害と関係がある。 ・断酒をして1年間たたないと健康な睡眠にならないこともある。 平成9年度後期アルコール・セミナ−第1回目はいかがだったでしょうか。 よく、『眠れないからお酒を飲む』という話を聞きますが、今回の先生のお話の中で飲酒することで余計眠れなくなることがあるということでした。 誤った情報や、勘違いから、問題が大きくなるということはよくあることですが、きちんと理解すればそれで問題は解決する場合も多いはずです。 このアルコール・セミナ−で正しい知識を身に付けて、問題解決の一つのきっかけになれば幸いです。 (文責:杉本留美) |