平成10年度前期アルコール・セミナーたより(No.4) 

(平成10年7月17日)



 8月に入ったというのに、梅雨もなかなか明けず、せっかくのひまわりが少し元気なく咲いているように見えますが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。
 さて、平成10年7月17日に行われました第4回アルコール・セミナ−は富山断酒のぞみの会会長 塩原明さんに『酒のない生活に向かって−本人ができること−』をテーマに講演をしていただきました。では、その内容をご紹介します。

断 酒 会 と は
 昭和33年に発足。現在、全国で会員は5〜6万人。  断酒会例会は、「私は酒をやめます」と宣言し、今までやってきたこと(酒をやめろと言われてもそれ以上の理屈をつけて飲んできたこと)を反省し、発表する場。

酒 を や め る に は ど う す れ ば よ い か
◎自分は酒を飲んでどういうことをしてきたかという家族の話を素直に認めること。(人に聞かなければ分からない)
◎飲酒を人のせいにしないで、自分が飲酒欲求を押さえることができなかったという事実を素直に認めること。
◎自分の飲酒に問題はあるが、誰にも迷惑をかけていないと考えている人には、原因が自分の酒にあると認めること。
◎なぜ自分がそのようなことをしたかを反省し、二度と酒を飲まないで生活していかなければならいということに気付くこと。

断酒例会に出席し、酒害体験と自分自身を率直に語り、人の体験談を聞く。

断 酒 道   五 心
1)人の体験談を自分のことのように聞く素 直 な 心
2)自分の過去の失敗を常に忘れない反 省 の 心
3)ひとりでは立ち直ることができないという謙 虚 な 心
4)「止めさせていただきます。」という感 謝 の 心
4)5)酒を止めたくても止められないでいる人々への奉 仕 の 心


塩原氏の体験談より
 医師より、アルコール依存症となってしまった時には、酒をコントロールすることはできず、(節酒することはできず)断酒するしかないと言われ、断酒を決意。
 お互いに助け合うために、断酒会を作り、断酒例会に出席を続ける。
 そのことで自分と酒の関係がはっきり見え、共通の悩みを持った者同士の信頼関係 が生まれるた。
 『 今 日 一 日 の 断 酒 』をモットーに、断酒例会を続ける。
  (断酒会の中で、崩れかけてきた決意が、自信へと変えてくれる。)
 現在の心境は、飲んだら生きていけないと思うが、飲まなくても生きていける。

 さて、今回のアルコール・セミナ−はいかがだったでしょうか。
 自助グループ(同じ悩みをもつ人たちが互いに理解し合い、支え合うことによって問題を解決するグループ)の代表格である断酒会の会長のお話は、実体験であるだけに、説得力のある、奥の深いお話だったと思います。
 皆さんと同じように歩んでこられた道であるだけに、今もアルコールで心身を侵されている多くの人が、断酒会など自助グループに参加し、健康な体になってほしいと思います。

(文責:杉本留美)