平成10年度前期アルコール・セミナーたより(No.1) |
街路樹の葉も少しずつ緑が増し、新緑の季節に近づいていますが皆さん、いかがお過ごしでしょうか。 さて、平成10年4月17日から平成10年度前期アルコール・セミナ−がいよいよ始まりました。今回は第1回目として、富山市民病院の吉本先生に、『アルコール依存とは』をテーマに人とアルコールの関わりから、依存についてまでの話をしていただきましたので、ご紹介いたします。
■依存になりやすい薬物
■人の要素 薬物摂取によって快感効果をもたらす強さの個人差がある。 性格傾向(単一の性格特徴はなく、いくつかの性格類型がある)。 ■環境の要素 1 家族因子(特に成育期の環境) 父 頑固で権威的、冷たい。 母 優しく心配しすぎる。 教育方針に調和と統一性が欠ける。 不安定な養育環境(情緒的、物質環境に恵まれない)が発症を早める。 第一子、意外に末子、一人っ子、一人息子が多い。 2 社会・文化因子 日本 酩酊に関して寛容 晩酌の一般化 儀式の時に飲む、子供や女性は飲まないといった風習はなくなってきた。 3 職業因子 水商売、酒類製造業、販売業----アルコールを安く手に入れられる職場 営業マン、ジャーナリスト、医師、芸能人----仕事上での拘束が少なく、酒との接触が多い職業 アルコール依存とは、単にその人個人がアルコールを飲むということだけではなく、アルコールの持っている依存しやすい特性や、その人自身の持っている特性や環境、職業など、複雑に絡みあって生じる問題です。 まずは、飲酒の害がどういうことなのか、それによって自分の心や体、また家族にどのような影響を与えるのか、どのように回復していくのかなどについて、これからもアルコール・セミナ−のなかでみなさんと一緒に考えていきたいと思います。 (文責:杉本留美) |