平成10年度後期アルコール・セミナーたより(No.4) 

(平成11年1月8日)



 2月に入って雪が降る日が続きますが、少しづつ日も長くなり春が近づいていることを感じる頃となりました。みなさんいかがお過ごしでしょうか。  さて、平成11年1月8日に平成10年度後期アルコール・セミナ−第4回めが行われました。今回は、「酒のない生活に向かって−本人ができること−」と題して、自助グループのAAのメンバ−の方に講演をしていただきました。その内容について紹介します。

 アルコホ−リクス  アノニマス
A A =ALCOHOLICS  ANONYMOUS
 アルコール依存症者  匿  名

 AAでは、酒をやめることを強制しない。「一緒に酒をやめませんか」。
 ミーティングでは
   言いたいことを言いっ放し
   聞きっ放し
   姓名を明かさない(匿名で)
   迷惑をかけた人に謝る前に自分に埋め合わせをする
   飲まないでいきることを考えていく
   威圧的な態度はとらない
 オープンミーティング(本人、関係者などの参加)
 クローズドミーティング(本人のみの参加)

アルコール依存症からの回復について
 酒をやめ続けること。
 自助グループ、通院、抗酒剤を利用する。
 お酒を交えない人間関係を作る。
 HALTをなるべく避ける。(ストレスに弱いため)
   H…hungry(空腹) A…angry(怒り) L…lonely(孤独)
   T…tired (疲れ)

1 2 の ス テ ッ プ
1.われわれはアルコールに対して無力であり、生きていくことがどうにもならなくなったことを認めた。
2.われわれは自分より偉大な力が、われわれを正気に戻してくれると信じるようになった。
3.われわれの意志といのちの方向を変え、自分で理解している神、ハイヤー塔pワ−の配慮にゆだねる決心をした。
4.探し求め、恐れることなく、生き方の棚卸表を作った。
5.神に対し、自分自身に対し、もう一人の人間に対し、自分の誤りの正確な本質を認めた。
6.これらの性格上の欠点をすべて取り除くことを神にゆだねる心の準備が、完全にできた。
7.自分の短所を変えて下さい、と謙虚に神に求めた。
8.われわれが傷つけたすべての人の表を作り、そのすべての人たちに埋め合わせをする気持ちになった。
9.その人たち、または他の人々を傷つけない限り、機会あるたびに直接埋め合わせをした。
10.自分の生き方の棚卸しを実行し続け、誤ったときは直ちに認めた。
11.自分で理解している神との意識的触れ合いを深めるために、神の意志を知り、それだけを行っていく力を祈りと黙想によって求めた。
12.これらのステップを経た結果、霊的にめざめ、この話をアルコーホ−リックに伝え、また自分のあらゆることに、この原理を実践するように努力した。

AAの実践をとおして
 ★傷ついた自分の気持ちを楽にしないと人に優しくなれない。
 ★自分で自分を許せないと人を許せない。
 ★スリップを繰り返してもAAにつながっていると、回復につながる。

 今回のアルコール・セミナーはいかがだったでしょうか。
 今回は自助グループの一つであるAAの方に紹介を兼ねて、体験談を語っていただきました。
 治療だけで断酒を継続することは難しく、仲間と一緒に自分の体験を語り、仲間の経験を聞くということを続けていくことが、断酒の支えになっているのではないのでしょうか。
(文責:杉本留美)