昨年、結婚されたばかり、20代前半のご夫婦です。
奥様は,神奈川県にある内観の集い「友の会」の会員。この会は,奥様のお父様が運営しておられます。そのような御縁で、お二人は,内観を体験し、かつ結ばれました。まさに、内観が縁を取り持ったようなお二人です。
斬新な、次回のポスターも作っていただきました。
このお二人によって、「さわやか会」に新しい風を吹いてもらえそうな予感がします。
ご 主 人
動機は,大きな悩みはないが自分を見つめてみたかった。
大学時代、突然父親が亡くなった。それで、落ち込んでいたら現在の妻に内観の会に誘われた。
付き合っていて妻が不登校だったと聞いて、意外だった。明るいし,お喋りだし…。内観によって、変わったと聞いて興味がわいた。
それで、分散内観をした。母親に対して反抗心があったのが,内観をしてやさしい気持ちになってプレゼントをした。
社会人になったら、1週間時間を作るのは難しいだろうと思って,就職が富山で決まっていたので、故郷で集中内観をした。
集中内観によって、さほど変化は無かった。
しかし、最終日に両親に大きな問題もなく育ててもらったと実感したとき,浮ついていた内観の一問一答に実感がこもるようになった。手紙を書くのは照れくさくてイヤであったものが,素直にしたためることが出来るようになったのが私。
奥 様
私が内観を最初に行ったのは中学時代、15歳の春でした。
不登校になって生活は昼夜逆転。母とつかみ合いの喧嘩、物を投げたり、泣きわめき散らしたり、どんどんひどくなっていきました。母は漢方の店や、カウンセリング、催眠療法、心療内科、いろいろ連れていってくれました。
そんな延長線で母は内観を体験し,それによって私は母に何か違うものを感じました。今までは母は私を変えよう変えようとしていたのが、母自身に矛先を向けたのです。それが私には解ったのです。
自発的に埼玉の内観研修所で内観をしました。なんとか1週間がんばりました。しかし、それですべてが解決するわけではなく、以前に戻ったときもあります。
集中内観は4回しました。次第に、友人も増え学生生活もエンジョイするようになりました。
結婚して、富山に来ました。研修所をお手伝いするようになり、内観と関わらせていただいていおります。
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第55回さわやか会 定例報告の中から
アダルトチルドレン(AC)とは ?
マスコミなどでは「大人になりきれない人達」と、違った認識をされていることもある。ACとは、小さい頃に機能不全家庭の中で育ち心的外傷(トラウマ)持ったため、大きくなってから対人関係などで「生きづらさ」を感じる人のことをさす。機能不全家庭とは、家族の一人一人の問題を指すのではなく、家族の機能つまり役割をうまく果たしていない家族のことをいう。
両親に十分に愛されていないため「生きる」ことに疑問をもつ。いろんな問題が次々と起こると、いちいち考えていたら身がもたないので感じない方が良い、となる。だから、人を信じないという生き方の術を身につけてしまう。人を信じれないが,良い子を演じ「人の目人生」を送る。その歪みのため,親と同じ病気に陥る場合が多い。
グリーフワーク
ACの回復の一つとしてグリーフワークがある。親への恨み辛みを吐き出させ、開放させるという手法である。これは、西洋から入ったものだか、いつ、どこで、誰がどんなふうに行うかは検討の必要があり、日本人への適応は慎重である必要がある。吐き出させ、それをしっかりフォローする人がいればよいが,うまく出来ないと収拾がつかなくなってしまう恐れがある。
人格的に高まったときに,人間的に吐き出すのことはもちろん大切である。
内 観 と A C
内観することで人間的に成長する。それからグリーフワークをすれば、効果的だと思われる。ACが、内観をして親の愛情を確認するのは難しいことだろう。しかし、普通の人が親から愛情を受けていないという人はいないと思われる。
先日,内観の面接をしたアルコール依存症の人が、「私自身、父の酒のせいで大変な思いをしてきたと考えていた。しかし、いくら調べてみても、父が深酒してきたのは2回しかなかった」と、語っていた。その1回にトラウマがあった。しかし、調べてみると愛してくれていたという面も出てきた。親と自分自身の新しいイメージが芽生え、回復への糸口となるのではないか。
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