マーキュリーライジング

 相変わらずブルースウィリスは渋いです。今回の映画はFBIの囮捜査官という役柄です。自閉症のサイモン君が雑誌のパズルを解いたところ、それがアメリカ国家安全保障局(NSA)が開発した”マーキュリー”という暗号文で、解けてはならないものが解かれてしまったということで、事実を隠蔽しようとするNSAがサイモン君を暗殺しようとし、それを、ブルースウィリス扮する主人公が命がけで守るというお話です。

 所轄の暴れん坊警官の話なら結構あるのですが、この映画はFBIの暴れん坊捜査官がNSA(アメリカ国家安全保障局)に立ち向かうという、偉く雲の上の話でした。FBIとCIAは知っててもNSAって知りませんでした。ちなみにNASAではありません。

 殺し屋たちが本当にプロ中のプロで、なにしろ元グリーンベレー(アメリカ陸軍特殊部隊:陸軍の精鋭中の精鋭。ちなみに「ランボー」も、もとグリーンベレー。)というのだからたまったものではありませんね。

 国家の安全のためなら、国民の一人や二人の命などなんでもないという理屈は国策レベルで頭で考えて理解できたとしても、現実問題としてサイモン君に何も罪はないわけで、両親が殺されて本当にかわいそうでした・・・。

 主人公は、いち早く陰謀に感づいて、サイモン君を命がけで守るのですが、彼の同僚の「自分の子供でもないのにそこまでする必要があるのか」という世間の大部分の人の本音とも言える問いに「両親を殺され、今命を狙われているこの子を見殺しにするのか」という返答は、先日の”幼稚園お受験事件”に氷山の一角として現れた「子供私物化」の親達言って聞かせたい言葉です。

 事件が解決して、施設のサイモン君に会いに言ってパズルを渡した後、サイモン君が主人公を「友達」と認めてくれて抱擁してくれたシーンは涙ものでした・・・。(;。;)

カジノ

 掲示板でおなじみの「ぽん」さんが、「カジノの裏側が良くわかるよ」といって薦めてくれた映画です。

 確かに、私が依然抱いていたベガスのイメージどおりでした。カジノ=マフィアの資金源。うなるお金に群がる人々の骨肉の争いとドラマ・・・。

 この映画で一つ面白い言葉を学びました。「方法は3種類ある。正しいやり方、間違ったやり方、そして、”俺の”やり方だ。このカジノは俺が仕切っている。”俺の”やり方が気に入らなければさっさと出ていけ!」という言葉です。ずいぶんと傲慢な言葉ですが、何が正しくて何が間違っているということは結局は多数決であり、ある物事を組織として速攻で機能させようとしたときは、ある人のやり方に準じたほうがスムーズに機能することは確かです。民主主義や多数決は最悪の選択こそしないものの、最良の選択はできないのですから・・・。

 ちなみに、先日アメリカで5分で売りきれたソニーの「AIBO」は重役会議で発売を大反対されたそうです。つまり、多くの人が理解できるものはその時点ですでに当たり前のものであって画期的な商品にはなり得ないのです。人は通常、自分の理解を超える物事に対しては大概非難します。とくに、その決定について自分の責任を問われるような場合は、往々にして反対に回ります。

 そこで重要になってくるのが説明、説得です。人は理解すれば同調し賛成してくれます。ですから、説明や説得をうまくできるかどうかは非常に重要ですね。でもこれがなかなか難しいのです。

 ちなみに、説明や説得がとてつもなく上手で、まったくのでたらめを信用させてしまう人々が詐欺師です。最近では、もっと言葉巧みに宗教やMLMの世界に人々を引きずり込んでしまうという、法律には触れないものの、一歩間違えばその人の人生を狂わすような組織が増えつつあります。その世界に入りこんだ人々は、マインドコントロールされていて、本人は完全に信じきっていますので、いかなる説明も説得も効果がありません。

 本当に人の心というものは微妙でもろくて複雑ですね。やはり、情報の裏、説明の真意、見えない真実というものを意識していく必要があると思います。

 とはいえ、一人だけそんなことしてても、多数決の論理で法律が決まってしまうと、それに逆らえば国家権力(警察、果ては軍隊(自衛隊))によって排除されてしまいます。まあ、今の日本は平和ですから、そんなに頑固に考えなくても良いことなのかもしれませんが、気がついたら召集令状が来てたなんて事にはなってほしくないと思う今日この頃です。

ウォーターワールド

 ケビンコスナーが半漁人になってしまいました。肺呼吸&エラ呼吸ができるって事は両生類ですね。う〜ん、退化のような進化ですねぇ。

 それにしても、ああいった海ばかりの世界は私は個人的にいやです。なんたって、泳げないもので・・・。

 結局、地球温暖化を極めるとああいう世界が訪れるのは非常に現実的です。ですから温暖化防止活動が盛んになるのも無理はありません。映画で見せられればわかりやすいですからね。

 アウトローの孤独と悲しみ。荒廃した時代にあって、生きる目的を再発見したかのような、最後の救出劇。それにしても、手に汗握る爽快アクション! これはユニバーサルスタジオのアトラクションが楽しみです。

バックドラフト

 可燃性ガスが充満して、酸欠で燃えずにくすぶっているところに、ドアを開けたりして空気(酸素)がどっと流れ込むことにより、一気にガスが燃焼して爆発現象を起こすことを「バックドラフト」というそうです。これがおきたら一たまりもないということは、この映画を見ると良くわかります。こんな危険と隣り合わせにある消防士の仕事というのは本当に勇気がいる仕事だと思います。

 アメリカでは消防士はとても人気のある仕事だと聞いたことがあります。私も賛成です。なぜなら、消防士は火事という災害から人々の命を守るために火と命がけで戦う仕事だからです。これほど純粋に崇高な仕事はないと思います。なぜなら、人命を救う仕事は他にもありますが、他の仕事は消防士に比べて、見方を変えるとちょっと・・・という点があります。たとえば、国民の命を守る軍隊は、人を殺すのが仕事とも言えます。市民の安全を守る警察は、人を疑うのが仕事という見方もあります。ところが、消防は相手が火であるがゆえに、どう見方を変えても汚職や人道に反することなどありえないからです。このように、自分の命を張って人のためにする仕事のなかでは消防士がもっとも崇高な仕事だと私は考えます。その割りには給料が安いように思うのは私だけでしょうか?

 この映画では、消防士の心は純粋さと純粋さゆえの心の動きが良くあらわされていたと思います。いろんな意味で・・・。 

ザ・インターネット

 「ザ・インターネット」はコンピュータ社会の身近な恐ろしさを如実に味わいました。映画のように意図的にデータ操作を行わなくても、データの投入ミスでトラブルが起こることは容易に想像がつきます。また、仮に、Microsoftがホームネットからパソコン、サーバ、果てはエンタープライズサーバまでWindows寡占状態にしてしまうと、まさにあの映画のような目論見が実現できてしまいます。やはり1社寡占は怖いですね。SUNとIBMには頑張ってもらいたいものです。なお、最近のオープンソースはそう言う点では安心です。秘密のコードを仕込もうと思っても仕込みようがないですからね。言語はJavaでオープンソースにし、JVMを複数のメーカーが作るのが我々SEやプログラマにとって理想の環境だと思います。

SPEED

 「SPEED」は息つく間もないアクションの連続で面白かったです。それにしても頭の良い犯人で、ハリーが亡くなったときなど、見ていて非常に悔しい思いをしました。最近、全日空機ハイジャック事件のように、日本でも頭の良い異常者が多くなってきているので、怖い思いがします。

ジュラシックパーク

 「ジュラシックパーク」は、いまさらながらCG技術のすごさを感じました。映画としてはバイオ技術の暴走の恐ろしさと、一人の人間にコンピュータシステムを任せることの危険性を指摘していたように思います。

エイリアン4

 「エイリアン4」では、相変わらず人間がエイリアンを利用しようとして失敗している様を見せ付けられました。何百年たっても人間のおろかさは変わらないということを言いたいのでしょうか。それを言うなら、孫子、老子、孔子などの教えがいまだに手本となっている以上、何千年たっても人間の心は進歩しないのではないでしょうか。そう言う意味では、新しい考えが正しいとは限らないということの証明でもあるわけで、また、温故知新の大切さ、歴史を学ぶことの大切さも感じました。

 いつの時代も大衆は今の時代の自分たちが正しいと考えており、かつ、殆どの人のそれは情報操作によってそう思わされているに過ぎません。人間は自分の持つ情報の中でしか判断ができないのです。選択肢が多い中から選んだら自分の考えのように思いがちですが、その選択肢そのものが取捨されているということに気がついている人はいったい何人いるのでしょうか。情報には必ず裏があるものです。端的な例は、テレビ局がインターネットに消極的だということです。インターネットが本当に爆発的に普及すると、視聴率が下がります。CM広告収入をバナー広告に持っていかれるとテレビ局は困るのです。だから、インターネット=パソコンオタク=暗い=一般の人はしないものという観念を植え付けておきたいのです。だから、インターネットの良いところは殆ど報道しないのに、インターネット関連で何か問題が起こると即報道します。これを情報操作といわずになんと言うのでしょうか?

 「情報には裏がある」ということを常に心がけておかないと、これからの自己責任の時代に痛い目に会いそうです。本当に純粋に提示されたデータなのか、利害が絡んだデータなのか、それを見極めるにはどこにどういう利害関係があるのかをまず知っておくことが重要です。不景気になるとミニスカートが流行るというのはその典型です。ミニスカートといってもロングスカートと値段は変わりません。ということは材料費が安くすみ、同じ量の布でより多くの製品を作れて、在庫の体積を圧縮できるミニスカートが圧倒的にアパレルメーカが儲かることは言うまでもありません。いち早く自由化の波にさらされた繊維業界はここのところを良く知っているのです。景気の良いときには同一種を大量に売りさばいて利益を留保し、不景気になったら留保した利益で商品の切り替えを激しくして消費者の購買意欲を掻き立てて売り上げの落ち込みを防ぐのです。ソフトウェア業界もなにかこううまい方法はないものでしょうか?

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