24 地域産業政策における「競争力」と産業集積、大学
『北陸経済研究』NO.331 (平成18年1月)
『発信!とやまの未来へ』富山地域研究会(平成18年2月)
富山県の産業振興を検討する際に必要な知識で、各分野に分散しているもの
を幅広く集めて、その解釈を示したものです。このため副題を「富山の産業活
性化マニュアル基礎編」としています。
まず第3次産業における富山のポジションを、経済基盤説に広域テリトリー
産業・事業所という観点を導入して考えます。つぎに、第2次産業のいわゆる
産業「競争力」問題を効率化と付加価値の関係を通して整理し、さらに、これ
にプロダクトサイクル理論と市場の参入困難性の問題を重ねることで、先進国
産業の生存領域の問題を検討します。つぎに、こうした先進国産業問題におけ
る「産業集積」(産業クラスター)の産業政策上の有効性について検討します。
ここでいう「産業集積」とは、単に企業が空間的に集まっていることのみを言
うのではありません。ある種の集積では、生産コストが低下し、イノベーショ
ンが活発化し、新規創業が増加します。そして、最後に、産業集積活性化のた
めの縦割りの産業支援体制について検討します。ほぼ同じものを了解を得て、
2箇所に掲載しています。本来は、富山地域研究会の提言集原稿として書いた
ものです。なお、タイトルも若干異なります。
16 「地域の視点からの大学改革:国立大学の再編統合に向けて」
『高岡短期大学紀要』vol.17 (平成14年3月)
富山県内3つの国立大学が平成17年10月に統合して新しい富山大学ができ
ました。
3つの大学とは、人文、経済、教育、理、工の5学部を持つ富山大学、医
(医、看護)と薬の2学部を持つ富山医科薬科大学、産業造形・産業デザイン
・地域ビジネスの3科を持つ高岡短期大学の3大学です。全国的にも、地方大
学としては、これだけの規模と特色を持つ大学の統合は珍しいと思います。
これは、その協議の渦中にある高岡短期大学の蝋山昌一学長から依頼され最
て、学外の「地域の視点」から大学改革に対する意見を寄稿したものです。
終的にB5で48ページという量になってしまいました。
内容は、大学と先進国経済、日本経済、地域経済の関わりから大学の役割を
考え、・・・・したがって、特に人文系の先生方からみると「違う!」というご意
見があるかもしれません・・・・それに基づいて大学改革への期待を述べ、ついで、
3大学の統合のあり方について具体的な考え方を提案しています。
大学への期待部分が前半半分、大学統合に対する意見が後半半分という構成
です。
後半半分は、おおむね平成13年の秋に蝋山学長にお送りした内容(それを
読んでいただいて寄稿を依頼されることになった)です(若干加筆)。
前半部分は、新たに追加した部分で、グローバル化の中で、日本が生きてい
く道は、ある意味で商品として成熟する前の段階の「革新的な」商品を作る役
割を果たしていくしかないこと。それには、研究開発機能の強化が重要ですが、
リスクが大きいので、大学が重要な役割を果たさざるを得ない(米国のように)
こと。したがって・・・日本の(地域)経済の将来にとって大学 の役割がいかに
重要か、を述べています。もっとも、日本の大学には、そもそも期待はできな
いという声も根強いのですが(しかし、それがもし可能でないなら、日本は大
学と一緒に沈没することになると考えています)。
15 IT革命と新規産業の創出と雇用
雑誌『地域研究交流』VOL17.NO1(平成13年4月)
平成12年11月に富山市で開催された「地方シンクタンク協議会」の合同
研修会第1分科会の報告です。この合同研修会は、全体のテーマをIT革命と
地域社会として、3つの分科会に分かれて討議を行いました。私は、そのうち
の第1分科会の座長をしたことから、その報告を協議会の雑誌に掲載したもの
です。第1分科会は参加者が多かったため、(最低1人1回以上の発言を確保
しようとした結果)、実質的な議論の時間がありませんでした。
このため、この報告は、各出席者の発言を元に構成したのですが、文章の展
開は実際の発言の流れを反映したものとはなっていません。(構成・文責向井
ということです。)
14 21世紀の地方シンクタンクに求められるもの
雑誌『地域研究交流』VOL16.NO3
「地方シンクタンク協議会設立15周年記念号」
9 21世紀の活力ある福祉社会研究会報告書
(富山県 平成11年2月)
これは、平成10年2月に富山県の各部局にまたがる職員で作られた21世
紀の活力ある福祉社会研究会の報告書です(研究会の座長は私がつとめました)。
11年2月下旬に公表しましたが、10年11月末以降は、文言の整理のみで、
その後の新しいデータや動き等は取り入れていません。
要旨は、第一に、今後の高齢化と核家族化に効果的・効率的に対応するため
には、社会システムそのものを変えなければならないこと、第二に、そのこと
自体が社会の活力にマイナスであるとは言えないこと。第三に、特に地域社会
の活性化を図るには、積極的にその対応を進めるべきことを述べたもの
なお、福祉サービスの生産誘発効果等について、(財)北陸経済研究所に分
析を依頼し、報告書に取り入れたが、当ページではその部分(0.5ページ弱)
は省略しました。
追)個人的には、平成10年は、この研究会と「富山県民福祉基本計画」(仮称)(11年3月までに中間案ま
で作って、引き継ぎました。)の策定が重なり、大変苦しい1年でした。
でも、厚生省の社会・援護局長さんや三浦文夫先生には一応評価(三浦先生は若干手を加えて出版してはど
うかとも言われました)されましたから、よしとすべきでしょうか。
6 富山県の地域活性化施策とその方向について
雑誌 『運輸と経済』 (平成8年12月号)
これは、当時の私の上司だった橋本企画部長名で書いたものです。もちろん、
部長のチェックとそれに基づく修正を行った上で出したものです。主として、
富山県の地域活性化施策の紹介を狙いとしたものですが、その前段で、大都市
圏と地方圏における行政投資のシェアにふれ、手本のない時代における中央と
地方の関係に触れ、地方が活かすべき環境と課題について触れたもの
5 過去の3つの産業開発を超えて
雑誌『でるくい』創刊準備号(平成8年7月)
これは、3を受けて、富山県の過去の発展とときの地方政権の産業振興策に
密接な関係があったことを述べ、今後の富山県の活性化には新たな産業開発が
必要であることを説いたもの
3 富山3つのイフ
北日本新聞 (平成8年2月)
これは、富山県の過去の岐路が別の方向にずれていたら、現在の富山県がどの
ようになっていたかを俯瞰し、長期的な視点で政策の判断を行うべきことを説い
たもの
この後、富山近代史研究会の機関誌「近代史研究」第20号にこれに関連した
随想が掲載されています(「イフ(if)についての随想」(北野潔氏))。
1 富山県の人口試論 /( 後半部 )
=>補足
雑誌『とやま経済月報』 (平成7年2、3月号)
これは、平成6年11月末に、当時計画課内で検討されていた人口問題につ
いての議論に影響を与えるべく書いた内部ペーパーを、当時の中島計画課長の
推薦で、経済月報に載せることになり、それに向けて構成を改めたほか、若干
後段部分で外向けに内容を入れ替えたもの
人口問題の意義を説くとともに、人口の社会的増減の問題を、産業構造、地
理的要因、大学の存在、高学歴化、水力発電、地方分権、産業振興などの視点
から論じたもの