■長谷川等伯展から・・・
桃山時代に狩野永徳率いる狩野派と対抗して活躍した天才絵師の長谷川等伯展が石川県七尾美術館で開かれているのを知り、連れ合いを伴って久しぶりに車を走らせた。 等伯は能登国の戦国大名・畠山氏の家臣である奥村文之丞宗道の子として1539年(天文8年)に七尾に生まれ、後に長谷川宗清の元へ養子に迎えられ、絵心のある養父に絵を習ったと言われている。
代表作は、「松林図屏風」(東京国立博物館:国宝指定)で、この松林図は日本を代表する水墨画の名作として近年注目を集めている。この絵には深い悲しみが隠されているのだという。霧の中に見え隠れする松の林、余韻と余白の世界に暫し時の流れを忘れた。 水墨画から仏画、肖像画、花鳥画とあらゆる絵を描いた等伯のタッチは豊かな情感にあふれ、達者な筆遣いでった。桃山文化が生んだ天才絵師といえよう。老若男女で賑わっていたのには驚いた。能登・七尾に生まれた等伯は今なお郷里の人々の中で生きているようだ。
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