湘南つれづれ紀 2003年)

 

 

月日は百代の過客にして(こっでおうとったかな)・・・・。とまあ、かっこよく始まればいいのですが、先日開催されました日本サーフ本選に運か奇跡か解りませんが、なんとか出場することができまして、その時の感想手記なるものをまとめてみました。

 

10月31日(金)

 朝、子供2人の登校を見送り(その日、妻は夜勤で不在)後、7時40分に自宅を出発。行くルートは散々迷ったが結局東海北陸自動車道〜名神〜東名を経て大磯へ。途中箱根に寄ろうかと考えたが長距離運転で少し疲れも出てきたのと、大磯ですずき釣具店を一度見てみたいのでそのまま大磯港の駐車場へ。港ではサビキ釣りの方が大勢いる、海の色はやっぱいつも見るのとは一寸色がちがうな。悲しいか仕事の性で道路の構造も違うな、舗装の合材も違うぞ。驚いたのは道路横にある防潮扉で津波・高潮時とかにはこの道路は封鎖されるようで、干満の差の激しい太平洋側ならではと思いました。さて、お目当てのすずき釣具店へ行き、魚の状況などを聞き、店内を見回す。まず、錘か一号刻みであったのには正直おどろいた。天秤もここオリジナルの天秤やら、また、ハリス付針とかいろいろ田舎者の私に全てが珍しい。とりあえず明日の試し釣り餌を確保と思い、石ゴカイと東京スナメ(チロリ)と思ったが、東京スナメがちょうど今時期産卵なので入荷しないとか、おそらく来週にはそろうとか。まあ仕方ないので、岩イソメの細めサイズをおばちゃんにそろえて頂き明日はこれで様子を見ようと。その後大磯、平塚、茅ヶ崎の街を徘徊しビジネスホテルに到着。ホテルからサイさんに連絡をとり明日の打合せ。夕食後、部屋で健全にさわさわと缶ビールを数本空け疲れからか眠気を催し、11時に就寝。

 

11月1日()

 前日の天気予報的中、外を見ると雨は降っているが風もなく、また、時間の経過とともに回復に向かうとの予報であるのでそんなに心配はしなかった。念のために雨具は用意してきたが、まさか使う事になるとは夢にも思っていなかった。7時にコンビニでサイさんと合流、大会会場と予想される場所に行こうと、先ず、茅ヶ崎港の右側に入る。釣り準備を整え浜を歩いていると紅花サーフのご一行様とお会いする。皆さんも本選出場されるようで、今から探りを入れるようであった。400m位歩いたところでやってみようと言う事で早速、竿を継ぎ仕掛けを結ぶ。砂の色が黒で一寸柔らかめコンシステンシーは?手前2色くらいまで濁り、波足が非常に長い、沖に波はあまり無い、とにかくこれだけしか解らないので先ず魚の居場所探しと地形の把握と思い私のパイロット仕掛けで第1投、4色で小さなくぼみを感じ、じっくりサビクとアタリがある。仕掛けを巻き上げてみるといきなりダブルでここではヒネサイズの19cmとレギュラーサイズのピン。魚はキープするつもりはないので、近くの地元釣師に進呈、北陸で言う「あら、気の毒な」または「あら、ごっつおさまな」とお礼を言われ、会話も少し弾みここいらの釣況をお聞きした。ここで約1時間釣をし、今度は港を挟んで反対側へ移動。千里浜なら車で移動する距離ですが、ここは湘南、駐車場がまず問題となるので歩け歩けの徒歩移動。砂が柔らかいので足腰に一寸来ました。会話の中で出てくる西東がいつもの逆になるのでちょっと戸惑う。反対側に到着すると明日出場される地元の方々が試し釣をされており、挨拶をして状況をお聞きした。とにかく魚がピン、マイクロピンのサイズがほとんどであり明日はかなり渋いかなと思った。ここでは竿をふるより皆さんの釣をじっくりと観察させて頂いた。超遠投の方、手間のピンを上手く掛ける方いろいろであるが皆さん上手いですね。また、天秤の作り方も教えて頂いた。お昼頃に釣をやめ、再度すずき釣具店にサイさんと行く。コンビで昼食にしていると新潟組の到着、にしかんさんと久しぶりにあい、再びすずき釣具へ行きその後茅ヶ崎港に到着しうろうろとする。時計を見るといい時間なので前夜祭会場へ移動。

 前夜祭では選手が一人一人紹介され、ひと言づつの挨拶。にしかんさんの優勝宣言(前夜祭の)や、明日の作戦やらいろいろと飛び交い気分が高揚する。酔いもまわると会話も弾み、選手のなかでネット関係釣師も10名程いらっしゃるようで、私の名前も皆さんご存知なようで、HNのいわれまでしってらっしゃる方も。「あんまし ちゃべちゃべと 何でも書かれんなあ。」と思いながらも「酔うたらかちかまわんわ」と思い楽しいパーティーとなりました。しかし不思議な事に、にしかんさんは穏やかにすごしていたのは妙に不気味でした。もしかしてこの後どっかへ行ったのかな。1次会終了後、部屋に戻ろうとしましたら他の部屋に拉致されそこで2次会、明日は大会という事をすっかり忘れて飲んでしまいました。部屋に戻ってからも再び釣談義の花が咲き、寝たのは1時頃だったかな。明日はなるようにしかならん、明日は明日の風が吹き、潮が流れる、合掌。

 

11月2日

 いよいよ本選の当日となりました。予定通りお約束の二日酔い。最近酒が弱くなったなと思い、朝食のおにぎりを食べ、いざ会場へ。天気もいい、風も無い、海は穏やかベタベタ状態。おお、太陽が沈む、夕まずめだ、晩酌だ。違う、ここは太平洋側なのでいつもの逆なのだ、頭の回転は絶好調、これが私の本調子とダラな事を言っているうちに開会式が始まる。競技ルールの説明、1回戦(予選)出場選手47名から上位20名が2回戦(決勝)に駒を進める事が出来、釣り場範囲の説明。釣った魚は審査員に確認・カードに検印後クーラーに入れるということで、さあ、競技開始。とにかく歩いて歩いて釣座に入った、別に根拠もないが、ここかなと思っただけの所でした。早速準備をし餌を付け、今日がデビュー戦となるBX+、かるく第1投、狙った方向にピタリ決まる、今日はいつもの大会もドの二日酔いで調子いい、5色からサビく始め2色になったところで回収。アタリがないのでどうかなと思ったが、ピンが1匹。その後ポツポツと拾う釣で、とにかくアタリがわからない。私が投げを始めたころのナイロン糸での釣のようで、まさに推測、消去法の作戦が必要となった。そこに地元釣師登場、競技中にもかかわらず1時間程観光名所や、釣りの話しで盛り上がる。大会途中、隣の人とライントラブルもあったが、正直、この本選に自分が立っていることだけで十分なので穏やかな気持ちで釣りが出来た。ここで審査員からいい調子でつれているのでもう少し頑張れば決勝に進めると言われ、その気になってやっと本日初のアタリをとって一匹ゲット。ちょうど時間となり、検量場所へいく。検量結果は11匹・183gで、この結果を見ればいかに魚が小さいかわかると思います。全体的にはあまりよくないようで、結果発表前に決勝はは間違いなく進めるよと皆さんに言われた。そして上位20名の発表、私のゼッケンナンバーもコールされ、いよいよ決勝戦だ。競技開始。正直、1回戦でほとんど気力体力が無くなり、とてもじゃないけど決勝の1時間半は釣ができる状態ではなく、とにかくBOZにだけならなければいいと思い、投げる。アタリがなくフグばかり、にしかんさんのアドヴァイスで移動、そして1匹、1匹と釣れ2匹となる。もうなにも思い残す事は無いが、私の夢であった「富士山を見ながらの釣り」は富士山がガスって見えずさすがに実現できなかった。そして終了5分前、湘南でのラストキャストと思い最後の体力を振り絞り投げ、気持ちよく終えることができた。まあ、決勝の結果は2匹70gで18位。優勝は同じ北陸代表の西田さん、6匹195gで優勝、すばらしい、おめでとうございます。決勝の状況を皆さんに聞くと、手前力糸の範囲にいるマイクロピンを獲るか、7色の魚を獲るかどちらかであり、私は手前力糸の釣りは経験がなく今さら出来ないので、最後は自分のスタイルで押し通したかったので遠投勝負にかけました。結果はこの通でしたが悔いはありません。ただ、ここしばらく満足に釣りが出来なかったので、一番恐れていた集中力ダウンが生じた事が一寸心残りかもしれません。優勝された西田さんは今年何回か大会で顔をあわせましたが、彼はすばらしいトーナメンターです。同じく北陸代表で出場された関戸さん、豪快な釣りで周りを魅了しましたがたまたま自分の釣りと合わなかったのが残念です。同部屋のポルノスキーさん、清水さん、夜の寝床でのお話楽しかったです。また、1次会2次会でにしかんさん、ピョンさん、HORI3さん、kotobukiさん、新潟軍団様、HNは忘れましたが多くの方々とお話しすることができ楽しかったです。

 そして何よりも2日間大変お世話になったサイさん、地元神奈川サーフ、茅ヶ崎サーフの方々、本当にお世話になりました。大会終了後、河西さんから食事のお誘いがあり、なにからなにまえで甘えてしまいありがとうございました。また、大会前には七輪クラブ皆様からの激励、大会中にSP5さん、ゴリさんからの応援メール。そして掲示板からの応援カキコ、書くときりが無いほどで、本当に感謝感謝です。

 

今は今年の大会が全て終了し正直ホッとしています。9月頃から釣りに行っても頭の片隅に大会の二文字が消えず、その上不漁が続き、今ひとつ楽しめなかったのが本心です。今後は本来?の一発釣野郎に戻り、まだいると思う残党の落ちキス、走りのカレイ、それからスキーを嗜み、その合間をぬって後越冬キスを狙いとどめに花見カレイ、アイナメを求め能登半島から志賀高原できれば北海道を走りたいと思っております。また、来るべき次の浜シーズンの為にも投錬、筋トレ、そして貯金も忘れずに行い、今シーズン各大会で得た貴重な経験、人の輪・和を大切にし、来シーズンもいろんな大会に参戦し釣技のさらなる向上をと思っております。

 

そんにしてもダラやぞいや、デジカメ持ってったがやけど なんも撮ってこなんだ、ほんまに だちゃかんもんやな。

 

 

最後に参考になるかどうか解りませんが、今回の使用しましたタックルです。

 

履物 :弘進 耐油ゴム長靴(白)

竿  :キススペシャルBX+ (予備竿として、スッピンとがまスパキャを同行)

  リール:スーパーアエロテクニウム+ショートハンドル(予備としてXT)

  道糸 :ゴーセン テクミーウイン砂紋0.6号 予備スプールに同0.8号

  力糸 :ゴーセン PE0.8-6

  仕掛け:悪天候、ベタ、食い渋りを予想して約10種類程持ち込みましたがメインは

       リーダー:フロロローテーション8ポンド 1ヒロ

       モトス :フロロローテーション6ポンド 

       ハリス :スーパーL EX0.8号 4cm

針   :がまかつ トーナメントキス6号の6本針で間隔は26cm

さらなる、超食い渋り対策が必要であった。

  錘  :熊本天秤固定27号とデルナー27号

  餌  :石ゴカイと細めの岩イソメで、石ゴカイに食ってきた

  

 と、タックルをかくとそれなりのトーナメンターにみえるな、と思いつつの自己満足で書いてしまったつれづれ紀でした。最後までお付き合い頂きましてありがとうございました。