「初夏」電子書籍版の解説
本編「初夏」(Early Summer) はハミルトン・ダッシャー名義(鍬井治訳)で『ミステリマガジン』(HMM)1999年1月号に発表した私立探偵サム・スクープ初登場の短編です。もちろん、ロバート・B・パーカーの探偵“ノー・ファースト・ネイム”・スペンサー・シリーズのパロディーです。このあと、HMM2010年5月号にパーカーを追悼して、探偵ペイジ・シェリーがスクープと初対面する短編「晩春」(Last Spring) を発表しました。そして、同誌同年9月号に、女性探偵リンジー・ヒルマインが殺される事件をスクープが調査する短編「フ**クのF」を“ダッシャー”が寄稿しました。
主人公サム・スクープという名前もあの名探偵の名前に似ていますね。それに、世を忍ぶ仮の名前“ハミルトン・ダッシャー”もある有名作家の名前を思い出させます。
ミステリーのパロディーというと、ジョン・L・ブリーンの『巨匠を笑え!』(早川文庫)やマリオン・マナリングの『殺人混成曲』(早川ポケミス)がすぐに頭に浮かびますが、私立探偵小説のパロディーというと、マーク・ショアの『俺はレッド・ダイアモンド』(早川文庫)やアンドリュー・J・フェナディーの『ボガートの顔を持つ男』(文藝春秋)が代表例でしょう。(著者)
(c)1998, 2015 by Jiro Kimura
http://www.amazon.co.jp/dp/B00WRDSUIW
新価格は300円です。
(2015年4月29日、改訂:2020年11月06日)
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